丹後国分寺五重塔WebAR
雪舟が室町時代に残した代表作「天橋立図」に描かれている「丹後国分寺五重塔」。
雪舟生誕600年の節目の年にWebARで現代に復活させつつ、
バーチャル表現ならではの「エンターテイメント性」を追求しました。
目的
- ・「歴史的建造物」の再現
- ・「現実」と「バーチャル」の照明演出を融合した、新しい価値の提供
課題
- ・「数十メートル」離れたところからのAR体験
- ・AR上での「リアルな照明効果」の再現
- ・「エンターテイメント性」の高い演出
ARによる課題解決
- ・ユーザー様による「位置合わせ」
- ・「バーチャル照明」の細部の調整
- ・リアルでは再現できない、「建造物表面」のビジュアル効果の実装
歴史的建造物の再現
京都の名観光地「天橋立」の近くに、今回のプロジェクトの現場である「丹後国分寺跡」があります。
その昔は立派な五重塔が建っており、雪舟が絵画に残したことで知られています。
今は塔の礎石のみが残されている場所に、ARで五重塔を再現することで、新しい観光資源を生み出しました。
数十メートル離れたところからのAR体験
今回のプロジェクトでは、ユーザー様がARを体験する「視点場」から、CGの五重塔を表示する「礎石」まで、4〜50mほどの距離がありました。
特定の「画像」や、「ARマーカー」を認識するといったARの手法は、精度の面で採用することができませんでした。
そこで、ARを表示する場所とスマートフォンの向きを合わせる「位置合わせ」を、ユーザー様に簡単に行っていただくような仕組みを開発し、体験距離の問題を解決しました。
「現実」と「バーチャル」の照明演出を融合した、新しい価値の提供
ただ単に昔の建造物をARで再現するだけでなく、見た人の心を動かすような「エンターテイメント性」も重視しました。
ライティングのプロ集団に監修いただき、AR空間上で緻密な照明表現を行いました。
バーチャル照明の細部の調整
ARを体験できる場所の周辺では、現実の照明による美しいライティングがなされていました。
その照明とリンクさせる形で、ARで表示した五重塔にもサーチライトやスポットライトによるリアルなライティングを行いました。
リアルでは再現できない、建造物表面のビジュアル効果の実装
AR空間での演出はライティングにとどまらず、五重塔自体を発光させるような特殊な効果を実装しました。
最初は五重塔をリアリティを持って再現しておきながら、最後は現実ではあり得ないような視覚効果を加えるという、振り幅のある体験になったと実感しています。